リン酸エステル系メタクリルモノマーを含有する歯科用接着性レジンの研究
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概要
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歯質との接着性に優れた歯科用接着剤の研究開発をする目的で, リン酸基を有する官能性モノマーおよび常温重合の可能な開始剤について研究を行った.その結果, -塩基酸のリン酸エステル系メタクリレートモノマーとスルフィン酸塩-過酸化物-アミンより成る3元系開始剤の組み合せにより, 歯質と強固に接着し得る優れた接着性レジンを得ることができた.リン酸エステルモノマーのなかで, 芳香族環で置換したものが好ましく, フェニル基で置換した2-メタクリロイルオキシエチル フェニルリン酸(Phenyl P)が最も優れた歯質接着性を示した.また3元系開始剤はスルフィン酸塩の増加とともに象牙質との接着性が向上することを見出し, 接着剤の開始剤として相応しい性質を有することを認めた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1986-01-25