二重埋没, 型ごと埋没におけるりん酸塩鋳型の寸法変化および鋳造体の精度への影響
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概要
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ハイドロコロイド系印象材を用いた場合の吸水膨張や, 二次埋没時の吸水膨張の影響および総合膨張への影響に主眼をおいて, 実際の模型ごと埋没法に準じた使用条件で市販りん酸塩埋没材の3種類について, 凝結膨張, 吸水膨張, 第二埋没時の吸水膨張, 熱膨張, それらからなる総合膨張を調べた.また成分既知の試作埋没材を用い凝結-吸水膨張に伴う変化を観察した.1)寒天印象内で凝結させた時の凝結膨張はすべての場合においてテフロン型内で硬化させた時よりも大きく, 約3〜14倍の数値が得られた.その際専用液で練和した試片の膨張が異常に大きかった.2)寒天印象内で硬化させて大きく膨張した試片, 凝結後に加水して大きく膨張した試片の熱膨張は一般に小さく, 製品によっては収縮するものも認められた.3)りん酸塩埋没材の総合膨張に占める, 各々の膨張の割合は, 凝結途中, および凝結後の吸水膨張が異常に大きくなったため, 必ずしも一定とはならなかった.4)以上の基礎的な実験の結果より実際の模型ごと埋没法による鋳造を行なったところ, 埋没材の種類による変化や, 印象材および, 練和液の種類による差が, 厚さ長さに様々な影響を与えていることが推定された.しかし, 埋没時期による差はみられなかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1986-03-25