歯科用石こうの操作性に関する研究 : 第2報 強制振動下における流動性の挙動変化とその特性
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概要
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石こうが練和開始から硬化時間に至るまでの流動性ならびにその特性について, 強制振動下で実験を行い, (A)代表例, (B)一定距離最終通過時間の2種類の解析から検討を行った結果以下の結論を得た.1)振動を加えると石こう泥の流動性は向上したが, 硬化時間を越えて流動することはなかった.2)石こう泥の流動性(流動距離)は, (1)振動開始直後の5秒間が最大値を示し, 振動時間が長くなると減少した.(2)振動開始直後の5秒間では測定量の多いほど僅かに大きくなる傾向が認められたが, 振動時間が長くなるとこの傾向は顕著となった.(3)振動開始時間の経時的変化に伴って徐々に減少したが, 流動性変化時期で急速に減少した.3)石こう泥の流動性消失時間, 流動性変化時期および通過最終時間は, 測定量の多少にかかわらずそれぞれ同一石こうならばほぼ同じ値を示した.石こう泥の流動性変化時期と5cm通過最終時間とはほぼ一致した.4)石こう泥の硬化時間を100%とすると, (1)流動性消失時間は, Type IIが約54〜62%, Type IIIおよびIVが約94〜100%の時間的相関性があった.(2)流動性変化時期は, Type IIが約39〜47%, Type IIIおよびIVは約75〜89%の時間的相関性があった.(3)一定距離通過最終時間は硬化時間との間に相関性が認められた.5cm流動性保存率(硬化時間を100%とした場合の5cm通過最終時間との比率)はType IIが約36〜44%, Type IIIおよびIVが約78〜86%であった.5)静的条件下で同一稠度の石こう泥は, 動的条件下では全く異なる流動性を示した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1986-05-25
著者
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