金属焼付ポーセレンに関する基礎的研究各種酸素分圧下における金合金中のスズおよびインジウムの高温酸化挙動
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概要
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金属焼付ポーセレンの金属と陶材との接着機構を解析するための基礎的研究として,スズ或いはインジウムを少量含んだ金合金の酸化挙動に関する実験を行った。実験には三種の実験合金(99.5wt% Au-0.5wt% Sn,99.5wt% Au-0.5wt% In,99.0wt% Au-0.5wt% Sn-0.5wt%In)を作製し,酸素分圧0.016∼0.8atm,温度700℃∼900℃の範囲で酸化挙動を観察した。又,市販の焼付用合金(セラミックゴールド)についても酸素分圧0.2atm以下の酸化挙動について実験を行った。Au-In合金中のインジウム及びAu-Sn-In合金中のスズ,インジウムの酸化後の表層部付近への集積量は酸素分圧0.2atm以下では増加した。これは酸化様式が内部酸化傾向から外部酸化傾向に転換したためと考えられた。そしてこれからの合金の酸化表面には,合金マトリックスからなるノジュールが観察された。市販焼付用合金の酸化挙動はAu-Sn-In合金の場合と類似していた。この合金では,インジウムが,合金の酸化挙動と表面性状に大きな影響を与えるものと考えられた。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1985-12-25
著者
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中島 裕
城西歯科大学 歯材料
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中島 裕
Department Of Biomaterials Science The Texas A&m University System-beylor College Of Dentistry
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