対話を用いた物体認識に関する研究(パターン理解, <特集>「人工知能分野における博士論文」)
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概要
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本論文では, まず, ユーザとの対話を用いた物体認識システムについて述べた.最初に, 指定された物体を容易に認識できるように, どの方向からでも認識可能かつ他物体との区別が付く最小限の特徴をもつ物体モデルを作成した.次に, 自動認識の結果, 物体が一部隠ぺいされるなどして失敗する場合に, ユーザから必要な情報を得るために結果表示と報告を行い, 得られた情報に基づいて最終的に認識を成功させる手法を提案した.次に, ユーザの対話の負担を減らすためのグローバルな外部照明変化を考慮した色変換について述べた.物理的な光の反射モデルに基づいて, 物体モデル作成時の基準照明条件から認識時の未知照明条件への色変換を, 認識時の参照物体の観測色から推定する手法を定式化した.色変換学習の初期段階では明度補正のみを考慮したパラメータにより色変換を行い, ユーザとの対話で正しい認識結果を得るごとにほかのパラメータを追加して更新することで, 新しい環境へ適応する手法を提案した.さらに, 外部照明と内部照明の2種類の光源によるシーン内でのローカルな照度変化を考慮した場合の色変換について述べた.外部照明については, 照度と冷蔵庫内の位置との関係を学習し, 内部照明については, 位置関係に加えて物体の光の透過率等の影響があるため, 観測ごとに物体モデルの色に最も合う照度を当てはめるものとした.学習した色変換を用いてさまざまな照明条件下での冷蔵庫内シーンにおける物体認識実験を行い, 本手法の有効性を確認した.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2006-01-01
著者
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