木質塗装面の研削, 研摩工程における量的測定(<特集>木質材料)
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概要
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木製品の鏡面仕上げ塗装工程中, ベルト研削工程, バフ研摩工程および仕上げ面の定量的な測定を試みた.主要な結果は次のようである.(1)作業者の手動研削による場合の研削圧を測定した.作業者数人について得られた値は15〜25g/cm^2の範囲であった.(2)ベルトサンダーによる加工条件中, 研削圧, ベルト周速, 研摩紙の粒度, ベルトの使用時間を要因として研削能率および表面アラサとの関係を検討しその実験式を求めた.(3)映画撮影により, ブロックが被削物上に描く軌跡を求めた.その軌跡は周期型曲線を描く.形状は波型, 馬てい型, ら旋型, 直線型に分類される.(4)研削作業時における被削物のブロックによる接触研削時間およびその分布図を求めた.通常1.0〜1.6〜2.2secの範囲に分布していることがわかった.(5)実験式と接触研削時間とから, 各種研削工程における研削モデルを作成することにより研削工程の比較ができる.(6)バフ研摩圧と押し付け量, 接触幅との関係を求めた.研摩圧と押し付け量とは直線関係にあった.また, 研摩圧と接触幅とは指数関数的な関係にあった.(7)バフシリンダーが被研摩材に接触している部分には, 有効に研摩作用をなす部分と, 接触はしているが研摩に寄与しない部分とに分けられる.(8)鏡面仕上げ面の光沢を量的に測定する方法としてくふうした鮮明光沢度のテストチャートは, 充分測定の目的を達することができた.(9)最終番手があらいものからこまかいものまで, ベルト研削工程をとり, このそれぞれにつきバフ研摩圧および研摩時間を変えて仕上げ面鮮明光沢度に及ぼす影響をみた.研摩圧が大きく, 研摩時間が長いほど光沢が良くなるが, この傾向は最終番手があらいほど大きい.
- 1969-10-15