国民皆投資家制度の提唱 : 日本型SRIの考察
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概要
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わが国では特に組織が共同体化しやすい。そして共同体的組織には内的制御が掛かりにくいという特性がある。この弊を矯めるには、「外的」制御を掛けるしかない。企業の場合、それは主として投資家サイドからする企業選択として現われよう。ただし投資行為自体は本来内部行為なので、内外一体的な制御と言ってもよいだろう。これを強力なかたちにすべく、私は国民皆投資家制度を提唱したい。これは単に企業の不祥事防止策と言うにとどまらず、新しい経済社会システムの鍵概念ともなるであろう。なぜならば、近代経済システムでは諸企業が結果的に経済社会を構築規制しているが、これによれば、国民的社会的規模で経済社会を自覚的にセルフコントロールすることができるようになるからである。そしてこれは近年欧米できわめて活発に議論されかつ実行されてきている社会的責任投資(SRI)という概念にも整合的である。SRIの到達点ないしそれを美しく完成させるものではないだろうか。結局、国民皆投資家制度を中核として、く企業の共同体化に伴う弊、新しい経済社会システム、SRI>という一見異なる三つの領域の議論は、まとまりを示すことになる。
- 上武大学の論文
- 2004-12-27
著者
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