フィリピンの中等学校地理授業におけるインターネット活用の現状
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概要
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フィリピンにおける教育課題の重要な分野は,学校,教職員,生徒をいかに世界の動静に結びつけるかにある。今や,世界の情報通信技術は著しい発展を見せている。この現代の知識社会の学校教育では,学習者がこれらのあたらしい情報通信技術を有効に活用する能力を育成し,また情報溢れる世界で豊かに生きるための批判的思考力を養うことが,緊急の課題になっている。本研究の目的は,インターネットの教育現場への導入が,フィリピンの中等学校社会科地理の教授と学習にどう有効であるのかを,施設・設備の整備状況も考慮しながら明らかにすることであった。資料として,事側杖の教師と生徒を対象とし,地理授業を通してのコンピューターとインターネットの活用状況を,活用の利便性,活用する情報の適切性,インターネットによる情報の活用が,どう地理授業の効果を高めるか等についてアンケート調査を実施した。なお,調査は,フィリピンのパンガシナン州にある6校の公立の中等学校において,2001年9月に実施した。本研究から,フィリピンの中等学校では,教師も生徒もインターネットの活用が地理の教授学習活動に効果があると認めているものの,その環境の整備が立ち遅れているため,当面の課題は,教師と生徒の両方にとって,インターネットヘのアクセス環境の充実とその活用能力の一層の向上を図る必要があることが明らかとなった。
- 2004-10-28