中国の小城鎮における郷鎮企業の発展と従業員の資質・再教育をめぐる問題 : 山東省済南市近郊の孫村鎮及び郭店鎮の事例を中心に
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概要
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中国の郷鎮企業が,十数年の発展を経た現在直面しているもっとも重要な問題は,効率・技術・管理・品質などの生産面におけるレベルアップである。これらに直接関係するものとして従業員の資質および人材育成の問題が挙げられる。本稿では,山東省における現地調査に基づき,小城鎮に立地する郷鎮企業の従業員資質の実態と従業員教育の問題点を取り上げた。そこでは,郷鎮企業の発展に伴い高熟練・高学歴の従業員が求められているが,従業員の大部分が「臨時季節工」という短期契約の不安的な雇用形態に置かれ,技能や学歴などが低いことおよび技術的・管理的人材の大量不足という問題点があることが明らかとなった。同時に,現在の従業員教育も質量ともに不十分であることを指摘した。その改善策をいくつ提案したが,なかでも最も重要なのは,教育効果のあがるプログラムの実施と教育投資の増加であると言える。
- 2000-01-28