ガリレオとイエズス会士:ガリレオ裁判に到る対立をめぐって
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概要
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「たとえ拷問によって脅してでも、彼の意図がどのようなものであったかについて、前述のガリレオを尋問するように」と教皇は命じた。ガリレオを取り調べるための委員会の設置、ガリレオの聖省への出頭、『天文対話』の禁書も教皇自身の命令によってなされた。ガリレオ裁判は教皇のリードの下に進められた。その結果、1633年6月22日、ガリレオ・ガリレイはローマの異端審問所で断罪され、異端誓絶をし、『天文対話』は禁書とされた。ガリレオ裁判の陰にはイエズス会士がいたと言われている。「イエズス会士達が, 《天文対話》の全論議は、修辞的な仮面の陰に隠れて、人に、コペルニクスの地動説体系をどうしても支持せずにはおられないようにするための訴えだ、と法王に説明したのだ」とサンティリャーナは述べている。しかしなぜイエズス会士たちはガリレオを陥れようとしたのか。本論はこの疑問に答えることによって、ガリレオ裁判の原因について再考することを目的とする。
- 1991-10-20
著者
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