バジーレの「ペンタメローネ」のヨーロッパにおける受容
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概要
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バジーレ(Giambattista Basile, 1575-1632)の「ペンタメローネ」(IL PENTAMERONE)が「昔話のなかの昔話」(LO CUNTO DE LI CUNTE)のタイトルで、やっと日の目を見たのが、B・クローチェによれば、著者の死後一六三四年から三六年である。それも一巻から五巻まで順を追って公けにされた。しかし、この本が当時あまねく知られるに至ったのは、ポンペオ・サルネッリ(Pompeo Sarnelli, 1649-1724)が一六七四年に-LPEN→AME符ONEという表題をつけたしてからである。その時の発行者名が彼のアナグラム「マッシーロ・レポーネ」(MASILLO REPPONE)であった。これが「五日物語、昔話のなかの昔話」の決定版である。今回は特にP・サルネッリの「ポジリケアータ」(Posilicheata)のかんたんな紹介と、グリム兄弟の「家庭と子供のための童話」の第三巻の「文献」(Literatur)に掲げてあるフェリックス・リープレヒト(Felix Librecht, 1812-1890)のドイツ語訳「ペンタメローネ」だけに的をしぼり、小論のテーマを展開してみたいと、思う。
- 1984-03-15