ターナーとヴェネツィア : 第一次旅行をめぐって
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概要
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ヴェネツィアはおろか、イタリアに足を踏み入れたこともありませんのに、こうした論題を掲げます愚かしさは、何よりも承知しております。けれど、平生いささか関心を寄せています問題であり、学会の御了承もありましたので、発表することに致しました。一昨年、東京と大阪で、ターナー展が開催され、ラスキンがシェークスピァにも比した、十九世紀イギリスが生みました、イギリスばかりか、世界最高の風景画家への認識が新たにされました。幸い、わたしの所属する図書館には、比較的豊富にターナーに関する文献があり、殊に、ターナーとヴェネツィアの関係を研究しました唯一の書と思われます、ターナー研究の権威、フィンバーフの《In Venice with Turner, by A.J.Finberg, 1930》がありますので、これらの著書を参考として事実的な知識を求め、いささか感想めいたものを附加しまして、論題につき述べたいと思います。
- 1966-01-20