オリエント学・中亜極東学の研究(一)
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概要
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イタリアは西欧へ初めてオリエント世界や中亜極東世界を紹介したばかりでなく、それらの世界との交渉の窓口として活躍した国であったから、これらの世界の研究に先鞭をつけたのも少しも不思議ではない。だが、これらの研究が自分たちに身近かな、近接の地域から初まり、やがて遠隔の地へ及ぶのは理の当然であったから、イタリアのオリエント学はその中亜極東学に比較してかなり以前に初まったのであった。すなわち、近東、アフリカの東部と北部、次に中亜、極東という順序で研究が進められた。そして研究の手がかりとしてまづこれらの地域の言語研究と民俗学的研究とがなされたが、その中でインド語学やイスラム語学やアフリカ語学は比較的早くからある水準に達したが、シナ学と日本学は十九世紀に入ってから、フィレンツェの東洋語学者グループによって初めて本格的に着手されたというべきであろう。
- イタリア学会の論文
- 1964-01-20