不確かな証人ギュンター・グラス : 『広野』の重層的構造について
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概要
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1995年のグラスの長編"Ein weites Feld"は,ドイツ統一前後のベルリンを中心に統,通貨統合,信託会社総裁殺害,シュタージ問題といった事件を追いながら,二人の老人を描く作品である。「こき下ろし屋(VerreiBer)」ラニッキーによって「シュピーゲル」で文字どおり引き裂かれるということで,発表当初から大騒動(GroBes Trara)を引き起こした。その他にも,「死産,モンスターだ」(FAZ),「歴史的叙事詩に失敗」(Zeit)などと,要するに,酷評されたわけであるが,「グラスが政治の犠牲にされるのは残念だ」といった好意的な弁明もでるくらいに,それがグラスの政治的信条の吐露として,イデオロギー的に批判されるということが多かったといえる。テレビも含めて「メディアのスキャンダル」としては話題になったが,800ページにも及ばんとする,〓瓦のように「かさばって,実用向きでない」とされる小説は,ひょっとしたら,その「善良な読者の忍耐をわずらわせる」(ラニッキー)長さ,複雑さの故に,その正当な作品評価をはばまれているのかもしれない。ここでは,こうした懐疑を抱きつつ,この小説の作品構成を,語り手の位置を中心に分析し,重層的な構成をなす長大で,複雑な作品への手がかりを得たいと思う。
- 1999-10-15
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