モデル修正機能をもつ1入力1出力ファジィ予測型制御器の設計
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概要
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従来の学習型ファジィ制御および予見・予測ファジィ制御に関する研究では、制御ルールの学習・修正および予見結果による制御出力の補償を取り扱うことに主眼が置かれてきた。本論文ではこれらのアプローチから離れて、制御対象プロセスをファジィルールで記述し、簡単なファジィ演算を介してリアルタイムで制御出力を求めるモデルベースファジィ制御を提案する。モデルルールは、制御動作と将来プロセス応答の動的関係を陽に表現し、制御動作を長期、中期、短期的過去に区分するユニークな形式を採用した。このモデルルールに対して、希望する将来プロセス応答をモデル予測制御と同様の考えで参照軌跡として与えることにより、制御動作が未知のファジィ関係方程式の逆問題として制御器設計問題を定式化した。さらに、現実の制御問題ではラフなモデルしか得られない状況に対処するため、SOC(Self-Organising Fuzzy Controller)で採用した補強型ルール学習手法を適用し、モデルルールを修正するチューニング機能を組み込み、モデルチューニング機能付き簡易ファジィ予測型制御器の構築を実現した。また、ファジィ関係方程式の逆問題の解法として使用する合成演算についてシュミレーション検討し、提案の制御器に対する推論合成規則との最適組合せを決定した。本制御器設計法の特徴は、理論的にコンパクトであることと、ルール学習・修正から制御動作決定までが一体化している点である。
- 日本知能情報ファジィ学会の論文
- 1994-06-15