進化戦略を用いたファジィ・コントローラによる最短時間制御について
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概要
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本研究では, ファジィ・コントローラを用いた最短時間制御問題を考える.最短時間制御問題は最適制御問題の中でも, 特に, 複雑な計算が必要であるといわれている分野である.本研究の目的は, このような最短時間制御問題に対しても, ファジィ制御が有効であることを示すことである.特に, 勾配の使用を基礎とする最急降下法(勾配法)や射影法, 共役勾配法, 準ニュートン法などの従来からの最適制御計算手法や, 同じく, 勾配法を利用してファジィ・コントローラのパラメータを調整する方法では, 解くことが非常に難しい非線形性の強いシステムの最短時間制御問題が, 提案する大域最適化手法を用いて, コントローラのパラメータの学習を行うアプローチで解くことができることを示す.従来からの手法では非常に解くのが難しい問題が, 比較的簡単に解けるということは, 提案する本手法の大きな特長である.ファジィ・コントローラを構成するメンバーシップ関数のパラメータの学習手法として, 大域最適化手法である進化戦略(ES)の中の, いわゆる(1+λ)-ESを用いる.ここでは, 特に, 子の個体λ個がそれぞれ異なるステップ幅で発生される戦略を用いる.この手法はグローバルな探索にもローカルな探索にも強いという利点を持つ.数値例を解くことによって, 非常に良好な結果が得られることを示し, 本手法が非常に非線形性の強い系の最短時間制御において有効であることを示す.
- 1998-04-15
著者
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