科学技術計算とマスストレージ
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概要
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技術革新による計算処理能力の向上と価格低下は、科学技術計算の性能向上の制限要素を演算処理ばかりでなく入出力にまで広げ、大容量のストレージ管理方法にも新しい枠組みを要求し始めている。それは、データを知的な財産として扱い財産を扱う上での利便性のプライオリティを再検討することによって構築可能であり、特注製品開発志向から商用製品利用志向へ、ハードウエア中心からソフトウエア中心へという人間の価値観の転換を促している。従来は演算処理の性能向上こそが最大の問題であったスーパーコンピューティングにおいても、人間が知的財産を管理するという観点で考えれば、もはや高速であることを望むゆえに他の要件を犠牲にして良いという環境ではない。米国ではASCIプログラムという国家計画のもとに統合的な環境を整備しており、その狙いを参照しながら、筆者のエンジニアリング・レベルの経験をまとめた。
- 2000-11-21