経済現象に見られる決定論的性質と確率論的性質の両義性
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概要
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経済時系列解析では、決定論的カオスか確率論かの議論が続いている。本研究では、この枠組みから離れ、進化的理解という視座から経済現象を捉える可能性と必然性を問う為に、相関次元分析を行った。高次元への埋め込みと、埋め込み次元の対数表示を行った結果、TOPIXは決定論と確率論の中間の性質を持ち、スケール則を満たす事がわかった。また、3つのモデルを比較分析した。GARCHモデルは確率的、Langevin方程式は決定論的性質を持つ事が分かった。一般内部観測モデルからは確率論的性質、決定論的性質、そして、TOPIX的性質を持つ時系列を得た。前の2つのモデルは確率モデルである事から、TOPIXの持つ複雑さを理解するには、確率モデルではなく進化的発想が必要である事が分かった。
- 1999-05-14