エノキタケ(Flammulina velutipes)の子実体形成におけるサイクロフィリンの役割
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概要
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エノキタケ子実体に大量に発現するサイクロフィリンの生理的な役割を理解するために, サイクロフィリンの阻害剤であるサイクロスポリンAの栄養生長と子実体形成への影響を調べた.サイクロスポリンAは, 25℃における菌糸成長にはほとんど影響しなかったが, 13℃および4℃における生長を阻害した.サイクロスポリンAは, 25℃から13℃または4℃への温度シフトによって誘導される子実体形成も阻害し, サイクロフィリンのストレスタンパク質としての性質を示した.これらの結果は, サイクロフィリンが低温下においてタンパク質の活性を保持し, 子実体形成にいたる可能性を示している.サイクロスポリンAの微生物に及ぼす影響は3種類に大別できると考えられる.第1はまったく影響を受けない微生物で大腸菌が含まれる.第2は, サイクロスポリンA高感受性のグループでF.oxysporum, A.niger, およびヒラタケ, ナメコ, タモギタケが含まれる.これらの微生物はサイクロスポリンA存在下で生育できない.第3は, サイクロスポリンA低感受性で, ある程度の生育阻害が認められるグループで, 酵母とエノキタケが含まれる.
- 2001-05-25
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