マルチメディアコンテンツの著作権について
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概要
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マルチメディアで話題となる著作権を、心の問題と考えれば、それぞれ相手を見て、権利者側は権利の所在や内容を積極的に表現し周知させる努力に欠け、利用者側は便利な機器を前にいつしか無断複製が習慣となってきたと見えます。しかし当事者の努力や工夫、倫理観とは別に、技術や商流の仕組みにも、個々の権利の尊重と対価の支払いへの姿勢が欠けていたことは否めない。デジタルネットワークの環境下では、今までのやり方では破綻が来るであろうとの声が大きく、コピー禁止機能への要望が根強いが、別の面からは、デジタルネットワークによってはじめて権利者と利用者間の情報交換ができ、根本的な解決への道が見えてくる。つまり、正確な権利処理が可能となり、これにもとづいた需要と供給双方の合意による適正な利用がひろがり、無断や不正な利用が防止できるようにもなる。本論では、かかる視点から権利者にも利用者にもバランスのとれる技術の枠組みをつくる試みを紹介する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-07-09