パソコンを利用した日本文学作品の研究 : 芥川龍之介作品のテキストデータベース化を通して
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概要
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私は博士論文「テキストデータベースによる色彩表現の研究-芥川龍之介作品への適用-」の研究にあたり、パソコンを利用し、テキストデータを作成、用例を抽出するという作業を行った。ここで「テキストデータベース」と読んでいるものは、分かち書きされていたり、品詞情報が付加されているものではなく、いわゆるプレーンテキストのことである。パソコンを利用する以前には、用例の抽出作業は手作業で行っていた。しかし、手作業には限界があり、大量のデータの中から正確に用例を抽出するというのは困難であった。したがって、本来は研究の手段であった用例の抽出が研究の目的そのものにならざるを得ない状況であった。そこで、本研究では大量のデータから正確に用例を抽出することを実践するために、パソコンを利用した。テキストデータの作成にあたっては、さまざまな問題が生じた。まず第一に入力の問題、さらには英語のように分かち書きがなされていない日本語を処理する上での問題等である。本発表では、日本文学作品の中でも特に、近代文学作品研究におけるパソコンの利用および問題点を、実践した経験から述べてみたい。
- 1995-05-25