声調の音響的特徴の言語間対照 : 中国語とタイ語
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概要
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声調言語では声調の型が複数あり、1音節に1つの声調が付与される。これらの型については言語内で研究が行われてきたが、声調としての共通の特徴について検討するような横断的な研究は行われてこなかった。本研究では音響特徴量である基本周波数を抽出し、この情報を共通の手段としてタイ語と中国語の声調について検討した。その結果、1つの声調の型ごとに、かなり一定したピッチカーブの形があることがわかった。しかし一方、例えば「下降」と記述される声調のパタンがピッチカーブの形では中国語とタイ語とで異なっており、声調が言語内で果たす役割が異なっている可能性や、音節構造の違いなども考慮しなければならないことを示唆している。今後は、三つ目の声調言語として、ビルマ語のデータを加えて検討することと、分析再合成音を用いて聴取実験を行い、ピッチカーブの観察結果をさらに検証する予定である。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-10-23
著者
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