妊娠後期における夫の親役割への適応に関する研究(第1報) : 親としての態度・行動的変化と親意識, 妻との関係性, 子どもへの感情および自我状態との関連
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概要
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夫の親役割への適応の様相を明らかにするために, 妊娠後期の妻を持つ初めて父親となる予定の男性171名を対象として自記式質問紙による調査を行い「親としての態度, 行動的変化」への各要因の因果的関連を検討した。その結果, 以下の知見が得られた。(1)他者肯定的構えと養護的自我機能「NP」は子どもへの「接近感情」, 妻との「関係欲求」を高め, これらは「親和的父親像」「親受容」の意識を高め, 適応的な親としての態度, 行動を促進する。(2)他者否定的構えと批判的特性を現す「CP」と自己否定的構えと順応性, 依存的特性を現す「AC」は, 子どもへの「回避感情」を高め, 「伝統的親役割観」を強化し, 適応的な親としての態度, 行動を抑制する。 これまでわが国では, 根強い性役割分業観によって育児の主体を母親とし, 父親は「第2の親」として子どもが社会的適応を始める幼児期頃に登場する存在とされてきた。そのため, 現代でも, 依然父親の育児, 家事への参加は諸外国に比べ著しく低く, 就労女性は過重負担にあえぐ状況が続いている。
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