妊娠中の性生活と切迫早産に関する関連要因の検討
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概要
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本研究では, 妊娠中の性生活と切迫早産との関連要因について調査した。研究方法は, M病院で出産した褥婦149名を対象とし, 無記名の質問紙調査を行い郵送法で回収した(回収率47%)。調査内容は, 妊娠中の性生活の頻度, 妊娠中の性生活において行動, 知識, 夫との関係性, 不安などを, 切迫早産あり群となし群に分け検討した。その結果, 妊娠中の性生活と性交回数で切迫早産の有無に有意差はみられなかった。妊娠中の性生活においての行動の質問項目では, 「コンドームの着用の有無」について, 切迫なし群の着用が高い傾向であった。知識の質問項目では, 「体位の工夫」について, 切迫なし群が切迫あり群に比べ有意に多かった。夫の協力関係性の質問項目では, 全体的に夫の協力は得られている傾向が高かった。総括すると, 妊娠中の性生活にも細菌の上行感染の可能性があり, 破水や早産のリスク因子が存在し得る。しかし, 妊娠中の性生活は, 情緒的安定がはかれるという側面も含まれる。妊娠中の保健指導に一定の見解はないが, (1)妊娠中の性生活での体位に工夫する(2)清潔保持に留意する(3)コンドームの使用を励行すること(4)切迫徴候や切迫のリスク因子がある場合は医師, 助産師の指示をうけるなどの知識の普及を行い, 夫を含めた指導の必要性があることが示唆された。
著者
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井上 範子
独立行政法人国立病院機構都城病院
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大重 郁子
独立行政法人国立病院機構都城病院
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中元 めぐみ
独立行政法人国立病院機構都城病院
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河合 京子
独立行政法人国立病院機構都城病院
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中元 めぐみ
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター
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