初産婦の婚前期における避妊意識と避妊法の選択
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概要
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低用量の経口避妊薬が認可発売されて5年目を迎え, 女性がより確実な方法で主体的に避妊が行えるようになった。しかし, 依然として人工妊娠中絶をうける女性が後を絶たない。この状況には, 経口避妊薬の認可発売後も女性自身が望まない妊娠を避けるための主体的な取り組みがされていないことがうかがえる。そこで今回, 初めて出産された褥婦155名に婚前の避妊意識や避妊状況を調査した。その結果, 婚前性交者98.7%(153名)のうち, 避妊についての話し合いや意思表示をした者は49%であった。しかも, 女性自身が避妊を行っている者はわずか2.1%にすぎなかった。背負うリスクが大きいにもかかわらず膣外射精など, 不確実な方法で避妊している者が60%もあった。こうした問題の根本には, 男性の無理解や男女の性交における従属関係のみならず女性の「他力本願」「曖昧」「成り行き」「防衛」といった意識が避妊の実行や避妊法を規定しているといえる。したがって, 女性の避妊意識の向上のためにも性教育においては, 正しい知識と同時に自分を知り大切にすること, さらには女性の性の自己決定権の確立, 対等な関係性の構築を目指す「リプロダクティブ, ヘルス/ライツ」が重要となる示唆を得た。
著者
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