家庭訪問面接が母性および父性の発達に関与したと思われる子育て中の母親の2事例
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概要
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ライフ・イベントと心理職の面接的介入が母性や父性の発達に与える影響を母性性イメージなどの質問紙と動的家族画を用いて検討した。1999年9月〜2000年9月に2人の母親に対して,コウ・カウンセリングを基本理念にした半構造化面接を家庭訪問して行った。変化の評価は6ヵ月間隔で3回実施した。事例1では短期間ではあったが,母性性イメージに変化が認められた。その結果,母性の発達にはライフ・イベントとそれに対してよりよい対処法を導き出すような面接的介入,加えて母親側の意識の高さ,すなわち自己実現が関与していると思われた。また,心理職の経験,性格も影響を与えていると思われた。事例2では,父性性イメージに変化が認められた。それは筆者に母親が精神的に支えられることにより,未熟な父親を支えることが可能になり,父親が気づき成長した。すなわち父性が発達したと推察された。
- 日本母性衛生学会の論文