分娩第一期の温足浴による体温と腟温の変化
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概要
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温足浴は,「弱い陣痛が存在したり,陣痛が一時的に遠のいたりした例に最も適して有効であった」という報告や,「温足浴によって腟腔内や腹部が温かくなったと産婦が訴えている」という報告がある。経験上,分娩がスムーズに進行する例は,内診時腟内が温かいと感じることがあった。そこで,腟腔内や腹部の温度を示すものとして子宮口付近の温度(腟温)を測定し,分娩進行に伴う体温,腟温の変化,また,温足浴により変化する体温,腟温と分娩の進行に関係があるのかを知り,臨床において分娩第一期に温足浴を実施する指標とするため本研究に取り組んだ。温足浴実施20名の対象群と温足浴なしの非対象群40名に対し,それぞれの初産婦,経産婦の分娩平均時間内,平均時間外に分け入院時体温,腟温,分娩進行期の体温,腟温を測定。対象群は,さらに,温足浴前後の体温,腟温を測定した。これらを比較検討した結果,温足浴なし群の分娩平均時間内の初産婦で入院時と進行期の腟温の上昇で有意差がみられた。温足浴群では初産婦の分娩平均時間内,,時間外の腟温の上昇に有意差がみられた。分娩第一期に温足浴を実施するにあたり若干の指標を得たので報告する。