就業女性の産前休業・退職時期の選択に関わる意識の分析 : KJ法による検討
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概要
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働く女性の健康支援を促進するため,産前産後休暇制度(以下,制度とする)が定められている。出産を境に妊婦の申請で産前6週の休業が可能となり,産後8週は法的な強制力により保障される。著者が把握した産前休暇取得状況は,出産後の女性の4割が6週未満であった。今回,母体保護が円滑に行き届くための示唆を得る目的で,産前休業に対し妊産婦が持つ意識の特徴を明らかにした。制度の休業期間を正しく認識した者は5割であった。産後,就業を予定する者は制度で定める休業時期以降に働く傾向があった。KJ法により,就業する理由には就業意欲と経済状態や健康に見合う価値が存在し,経産婦からは特に就業と育児を両立し,生活を管理したいとする意見があった。休業・退職時期の選択理由には職場の事情や周囲の者との関係が影響していた。制度の休業時期以降に就業した者は,制度利用時の心理的負担を主な理由に挙げていた。以上より,社会全体で母体保護の趣旨が理解され,妊産婦が適切な時期に休業あるいは退職ができるような休制づくりが必要である。
著者
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