乳幼児を子育て中の母と父の母性意識の構造
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概要
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本研究の大きな目的は,母性意識を解明する1つの試みとして「母性に関する認知」と「乳幼児に対する関わり意識」をおのおの分析し,属性別の特徴を比較検討の上,両者を統合して母性意識の構造を類型化し説明することである。今回は,乳幼児を初めて子育て中の母と父における母性意識の構造について,実態を分析し特徴を明らかにした。その結果,母性に関する認知では,「自分以外の命に対する慈しみの心」と「わが子だけでなくすべての子どもに対する愛情」の2項目で有意差がみられた。乳幼児に対する関わり意識では,「かわいいので抱きしめたい」「よく泣くので関わりたくない」「オムツ交換など汚い世話はしたくない」「乳幼児よりも自分のことに関心がある」「乳幼児は元気に育ってほしい」の5項目で有意差がみられた。母性意識の構造を説明するために設定した母性意識の因果関係モデルは,母では《育児肯定》が低いと《育児不満》を規定する要因となるが,父では《育児否定》が低いと《育児不満》が規定されることなどが明らかになった。
- 日本母性衛生学会の論文
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