赤外分析への偏回帰係数比の応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
混合物の赤外スペクトル分析に極めて重複した波形しか利用できない場合,数学的にそれらを分離し,各含有成分を定量する方法を提案した.混合物の重複波形全体を等分割し,各点をキーバンドに相当する測定点とした.あらかじめ,各含有成分の純品についても同様に吸光度を測定しておき,それらの吸光度と混合物のそれとの間に重回帰モデルを想定すると,その偏回帰係数は含有成分の濃度に比例するので,混合物中の任意の2成分間の濃度比と偏回帰係数比との間には直線関係が成立し,しかも測定時の試料の厚さは任意でよい.本法によって,亜鉛及び銅の8-ヒドロキシキノレートのわずかな吸収帯のシフトの差を利用して,その共沈殿物の分析が可能であることを示した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-09-05