薄膜のけい光X線分析へのモンテカルロ法の応用
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概要
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アルミニウム,ニッケル,タンタル金属基板上に形成された銀-銅合金薄膜のけい光X線分析において,基板からの散乱X線による励起効果が無視できないことを明らかにした.CuK_α,AgK_α線強度は,タンタル,ニッケル,アルミニウム基板の順に強くなり,特にCuK_α線強度に基板の影響が強く現れた.ファンダメンタルパラメーター法に基づき,モンテカルロ法によって薄膜試料の理論X線強度を計算し,基板からの散乱X線による励起効果を定量的に求めた.この理論式をけい光X線分析法による薄膜試料の分析に適用し,組成と膜厚の同時分析法を確立した.本法をアルミニウム基板上に形成された170nm及び320nmの膜厚を持つ銀-銅(72:28)合金薄膜の分析に適用し,銀-銅(68:32)膜厚150nm,銀-銅(70:30)膜厚310nmとほぼ満足できる分析結果が得られた.本法は非破壊で組成と膜厚とが同時に求められる方法であり,理論強度式によるけい光X線強度の補正に基づくため,薄膜だけでなく塊状の標準試料も使用できる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-12-05
著者
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