環境水中の微量無機及び有機スズの定量
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概要
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微量の無機及び有機スズの定量法としてヘリウム環境下で還元気化し,液体窒素温度で捕集・濃縮の後,再度加熱気化させ水素-アルゴンフレームのAASに供する簡便な分析法を検討した.分析最適条件を求めることにより,スズ及びメチル-,ジメチル-,トリメチル-,ブチルスズ化合物を分別定量できた.各化合物の検量線はすべてスズ換算量15ngまでクロマトグラム上のピーク面積との間に直線関係があり,検出限界(3σ)は0.3ngであった.4.9及び11.2ngの無機態スズを含む環境試料の繰り返し測定で求めた相対標準偏差はそれぞれ3.1% (=4)及び2.2%(n=5)であった.本法により,海水,河川水及び雨水中のスズを定量した.海水試料については,回収率(平均103%)と保存法についての検討も併せて行った.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1989-08-05