ジクロロベンジジン及びジアニシジンの作業環境分析法の改良(<特集>品質管理・工程管理のための分析化学)
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概要
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著者らは,作業環境測定基準(昭和51年労働省告示)にのっとった作業環境測定ガイドブック(同省安全衛生部編)に準拠して,有機顔料製造現場の実態を測定しているが,そのうち,特定化学物質のジクロロベンジジン,ジアニシジンに時々異常高値が出現した.この測定は,同ブック2のIII 10・1,同10・2によるが,この原理は共に試薬で発色させ吸光度測定する方法で,光で変化しやくすて再現性悪く,又,浮遊着色粉じん同時吸引による正誤差のおそれあるときは同10・2によるが,感度は10・1の1/200と劣り問題の残る方法であった.そこで同基準第10条"…又はこれと同等以上の性能を有する分析方法によること"に着目して,独自のHPLCを活用する手法を開発した.この方法は顔料など着色成分の影響を全く受けず,感度は10・1法と同等,再現性も良好で,常に信頼性高いデータを提供できるので所轄の労働基準監督署へ申請し,認可を得た.
- 1988-11-05