芳香族スルホン酸の電界脱離質量スペクトル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
逆相系イオン対クロマトグラフィー(IPC)用の試薬として揮発性の高いジ-n-ブチルアミンの炭酸塩又は酢酸塩を用い,ナフタレン及びアントラキノンスルホン酸類の分離,精製法と精製物の電界脱離(FD)質量スペクトルについて検討した.本試薬は一般にIPC試薬として用いられる第四級アンモニウム塩と同様の分離効果が得られ更に溶出成分の分画液を単に60℃で減圧濃縮するだけで過剰のIPC試薬は揮発し,目的のスルホン酸をジ-n-ブチルアンモニウム(DBAH)塩として単離することができた.本法で単離したスルホン酸DBAH塩は遊離酸とほぼ同一の条件で安定にFD質量スペクトルの測定が可能で,モノスルホン酸ではDBAH付加イオンが,ジ及びトリスルホン酸ではプロトン化分子イオンが観測された.対イオンを第三級アンモニウムに変えても同様のFD質量スペクトルが得られたが,第四級アンモニウムではプロトン化分子イオンは観測されなかった.
- 1987-10-05