^<13>C-核磁気共鳴吸収法による低密度ポリエチレンの微細構造分析
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概要
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高圧法低密度ポリエチレン(LDPE,コモノマー:プロピレン0.04mol%)の^<13>C-NMRスペクトルを25MHz,45°パルス2秒間隔で13万回積算測定し,主鎖メチレン炭素ピークについて約10000のS/Nを得た.このスペクトルをモデルコポリマー実測値及びLindeman-Adamsの経験則による予想値を併用して解析した結果,これまでに知られている孤立型分岐種のピーク以外の他の微小なピークは,2次及び3次の連続back-biting反応により生成する複合型分岐種に帰属できた.分岐末端部の炭素についてモデルコポリマー実測値を基準値とした感度補正法を適用して相対誤差10%程度で定量分析を行い,C_4:C_2=2:1を得た.C_3分岐は認められず,微量プロピレンに起因する分岐はC_1だけであった.4官能型C_2,4官能型以外のC_2及びC_4の相対濃度からLDPEの分岐生成反応は1次のback-bitingが主要なものであるが,2次,3次,4次といった多次の連続back-bitingも大きな割合を占めていることを明らかにできた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-05-05