固定化抗体によるクリーンアップ法を利用する血しょう中カルバサイクリン誘導体のガスクロマトグラフィー/質量分析法による定量(<特集>医薬品の分析)
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概要
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カルバサイクリン誘導体CS-570の血しょう中微量定量法を確立した.本法は特異性の高いCS-570抗体を固定化したカラムを用い選択性に優れた前処理法を行った後,ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)法により高感度定量を行うものである.抗体はBSAに結合させたCS-570をウサギに感作させることにより抗血清として得,これをセファロース4B上に固定化した.CS-570及び内標準物質としてd_6-CS-570を添加した血しょう1mlを固定化抗体カ力ラムに負荷し,洗浄後90%アセトニトリルで溶出した.ペンタフルオロベンジル-トリメチルシリル誘導体とし,アンモニアを試薬ガスとして用いたキャピラリーGC/負イオン化学イオン化マスフラグメントグラフィーを行った.固定化抗体カラムからの回収率は78.3%,相対標準偏差は2.4%(ともに12ng/ml添加時),検量線は0.1〜100ng/mlの範囲で相関係数0.999が得られた.固定化抗体カラムを用いる前処理法は,従来のクリーンアップ法に比べ効率及び選択性に優れていることが明らかになった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-03-05
著者
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中川 明彦
三共株式会社分析代謝研究所
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谷島 ゆきみ
三共株式会社分析代謝研究所
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広田 孝司
三共株式会社分析代謝研究所
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高萩 英邦
三共株式会社分析代謝研究所
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堀口 正明
三共株式会社分析代謝研究所
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川原 幸則
三共株式会社第一生産技術研究所
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高萩 英邦
三共株式会社
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