黒鉛炉ゼーマン原子吸光法による電解金属クロム中の微量アンチモンの定量
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概要
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黒鉛炉ゼーマン原子吸光法による電解金属クロム中の微量アンチモンの定量法を検討した.まず標準液を用いて微量アソチモン(0.1μg/ml)を高感度で測定するための基礎条件について検討し,検出限界0.002 g/ml(20μ注入),この付近の濃度での変動係数2.5% (n=10)を得た.各種酸(塩酸,硝酸,硫酸,過塩素酸及びリソ酸)及びクロムの共存は,塩酸を除いて,高濃度になると吸光度を低下させた.クロムが大量に共存した場合,乾燥及び灰化の過程で試料の突沸,原子化の過程でバックグラウンドの吸収過大の現象が現れ測定を困難とするので標準液より得られた基礎条件を変更しクロム共存時の分析方法を確立した.本法を電解金属クロムを塩酸と硝酸で分解して得られる検液(クロム濃度5000μg/ml)に適用し,アンチモンを,分離などの前処理を行うことなく直接定量することができた.定量下限は0.4ppmであった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1984-03-05