アセトニトリル抽出-微分パルスアノーディックストリッピングボルタンメトリーによるアンチモン(III,V)の定量
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概要
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水溶液中のアンチモン(III,V)の全量をアセトニトリルで塩析抽出後,直接微分パルスアノーディックストリッピングボルタンメトリーによって決定する方法を検討した.アンチモン(III)及びアンチモン(V)が,2.0N塩酸及び飽和塩化ナトリウム溶液からO.1M過塩素酸テトラブチルアンモニウムを含むアセトニトリルヘ抽出できることが分かった.その抽出液(8.0ml)中のアンチモンを吊り下げ水銀滴電極で-O.35Vus.銀/塩化銀で3分関前電解し,30秒開静置後-0.35Vから-0.10Vまでパルス電圧10mV及び電位掃引速度0.5mV s^<-1> で溶出曲線を記録し,そのピーク高さを測定することにより定量することができた.アンチモン(III)及び(V)の定量下限は0.2ng/mlであり,1.0ng/mlでの10回繰り返し精度は約10%であった.又,5000倍量の銅(II)及び100倍量の鉄(III)が共存しても定量を妨害しなかった.本法は中竜鉱山廃水及びメルク社製塩化ナトリウム中の微量アンチモンの定量に適用できた.
- 1984-01-05