シリコンテトラエトキシドのゲル状ガラスに固定化した酵素による胆汁酸の定量
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概要
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著者らは金属アルコキシドの一種であるシリコンテトラエトキシドを用いたガラス合成法を応用して,組成中にフッ素を合む新しい酵素固定化用担体を開発した.ここでは胆汁酸の高感度,特異的分析を目的として,この担体に3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3α-HSD)を固定化し,これを充てんした固定化酵素カラムと蛍光検出器を組み合わせたフローインジェクション分析法(FIA)により胆汁酸の分析を行った.実用性を確認するために,この固定化酵素カラムと高速液体クロマトグラフとを組み合わせ,各種胆汁酸の分離分析を試みた結果,本法の固定化酵素が有効であることが分かった.FIAの結果,胆汁酸の検出下限は注入量lOμlで1ng,検量線は(2〜500)ngの範囲で直線性を示した.又固定化酵素カラムに逆相系溶離液を延べ200時間以上達液しながら,500ngのコール酸を300回分析したが,分析感度の低下は見られず,本法による固定化酵素は長期間使用できることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1984-01-05