協同効果を利用したα-フリルジオキシムによる鉄(II)の抽出光度定量
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概要
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協同効果を利用して鉄(II)-α-フリルジオキシム(FrH_2,)錯休をクロロホルムに溶媒抽出し,吸光光度定量する可能性を検討した.抽出穂のモル吸光係数,抽出に及ぼすpHと振り混ぜ時間の影響を考慮すると,協同効果試薬としてブチルアミン(Buam)が最適であった.この系で定量的に抽出可能なpH領域は3.1〜6.0である.抽出錯休の組成はFe(FrH)_2(Buam)_2であり,有機相中の鉄(II)濃度が(0.6〜22.5)μg/10 ml の範囲でベールの法則に従う.592 nm における見掛けのモル吸光係数は2.31×104 1 mo1^<-1> cm^<-1>である.共存イオンの影響を検討し,温泉水,河川水,水道水中の鉄の定量を試み,JIS法と良く一致する結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-01-05