チオピリンによるパラジウムの吸光光度定量
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概要
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チオピリンによるパラジウムの吸光光度定量法を検討した.パラジウム(II)はチオピリンと結合比1:1,1:2及び1:4の錯体を生ずる.試薬過剰の条件の下で生ずる水溶性の1:4組成の錯体をパラジウム(II)の定量に利用した.この錯体の吸収極大は330nmにあり,その吸光度は2N塩酸酸性からpH12の広範囲で一定の値を示し,パラジウム(II)濃度が(0.3〜3.0)μg/mlの範囲でベールの法則に従った.検量線から求めたパラジウムのモル吸光係数は3.65×10^41cm^<-1>mol^<-1>であった.又,数種のチオピリン誘導体のパラジウムの吸光定量試薬としての可能性を検討した.その結果,1-メチル誘導体はチオピリンと同様に使え,4-メチル置換体は試薬添加量をチオピリンによるときの10倍とすれば使える.4-ク口口及び4-ブロモ置換体は定量試薬として不適当であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1978-03-05