fluorescein mercuric acetate試薬を用いたけい光分析による大気中の硫化水素の定量
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概要
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ppbレベルの環境中の硫化水素をけい光分析によって定量した.けい光物質fuorescein mercuric acetate(FMA)のけい光が硫化水素によって消失することを利用した方法であり,高感度で分析操作も容易である.吸収液には水酸化ナトリウム・グリセリン溶液を用い,吸収びんに大気試料を通気させて硫化水素を捕集する.捕集後試料溶液にFMA試薬を添加し,試料溶液のけい光強度を測定し硫化水素を定量する.吸収びんを2本連結し,又通気流量を小さくすること(0.2〜0.5)l/minによって,大気中の硫化水素を95%以上捕集することができる.定量範囲は大気採取量が101の場合,約(0.1〜4.0)ppbであり,大気中の微量硫化水素の定量に適している.本法を用いて,横浜市日吉地区において大気中の硫化水素を測定した結果,平均濃度は2.7ppb(1975年夏期)であった.
- 1977-04-05