固相抽出/液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法による環境水中のカルベンダジムとチアベンダゾールの分析方法

概要

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環境水中のカルベンダジム(MBC)とチアベンダゾール(TBZ)をLC/ESI-MS/MSにより定量する方法を開発した. 逆相系固相カートリッジを用いて濃縮した試料粗抽出溶液の測定において, マトリックス効果による感度低下が認められたので試料前処理法について検討した. その結果, 試料濃縮後のカートリッジを30vol%メタノール水溶液と水で洗浄した後に酢酸エチルで溶出することで, 内標準物質として添加したMBC-d_3の回収率85.4%, 相対標準偏差(RSD)11%と, 試料マトリックスによるイオン化抑制の影響を軽減できた. この前処理法を用いた環境水での添加回収試験を行い, MBCの回収率は河川水への5ng/lと50ng/lの添加で102%と104%, 下水処理場放流水への250ng/lの添加で106%, RSDは1.9〜3.4%と良好な結果を得た. 同じくTBZの回収率は78.9〜136%, RSDは1.8〜4.8%であった. 検出限界を実試料の標準偏差の3倍としたときの値は, 河川水でMBCが0.32, TBZが0.93, 下水処理場放流水でMBCが5.6, TBZが4.9ng/lであった.
社団法人日本分析化学会の論文
2001-02-05