不活性ガス融解法による薄膜中のガス成分の定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
各種薄膜中の酸素, 窒素などのガス成分を不活性ガス融解法で定量する方法を確立した.試料を黒鉛るつぼ中で加熱融解し, 試料に含まれる酸素をHe搬送法によりCOとし, CO_2に酸化した後赤外線吸収法で, 窒素はCO_2を除去した後熱伝導度法で定量する.試料を基板から分離できないシリコン基板付きのものでも適正な浴剤の使用と, シリコン自体の浴剤的効果により精度よく定量できる条件が得られた.浴剤としてはFe-Ta-C-Al系では基板を含めた試料重量の5倍量のSn, Al系ではCu, Sn各0.5gの併用, α-Al_2O_3,ではNi0.4gが適正であった.基板付きの試料において, 薄膜中のガス含有量を算出する方法を案出し, この方法で得た酸素含有量と, 基板から分離した薄膜試料の直接定量によって得た酸素含有量とがよく一致することをFe-Ta-C-Al薄膜について確かめた.更にα-Al_2O_3中の酸素の定量において分析精度が満足し得ることを確かめた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1996-03-05