金属酸化物表面水酸基のイオン交換機能の評価(<特集>表面・界面・薄膜と分析化学)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
難溶性金属酸化物による陰陽イオン交換量を滴定法によって測定した.低pHでは陰イオン交換, 高pHでは陽イオン交換が優勢であり, イオン交換は酸化物表面水酸基の酸塩基解離によって生じた正負の荷電サイトへの陰陽イオンの静電吸着によって起こる.吸着イオンによる交換抑制を考慮して交換反応の平衡条件式を導出し, データへのあてはめにより式中のイオン交換パラメーターを決定した.その値は酸化物試料に特有で交換機能の評価に用い得る.バラメーター値から求めた酸化物表面水酸基の酸強度はFe_3O_4<TiO_2<MnO_2の順に増加し, 塩基強度はこの逆であった.この結果を酸化物格子金属イオンの電荷密度の違いによって説明した.電荷密度はイオンの価数が大きくサイズが小さいほど大きいが(Fe^<2.7>+<Ti^<4>+<Mn^<4+>), 格子金属イオンの正電荷密度が大きいほど隣接水酸基のプロトン解離が促進(酸強度の増加)され, 逆にプロトン取り込みが抑制(塩基強度の低下)されるものと考えられる.
- 1991-11-05
著者
関連論文
- スピネル型二酸化マンガンλ-MnO_2のイオン交換容量の指標としての表面水酸基密度
- 酸化鉄(III)粒子表面への二価重金属イオン吸着反応のモデル化
- 金属酸化物表面への重金属イオン交換吸着反応のモデリング(:分離(その1))(抽出・吸着分離)
- 2酸化マンガン表面水酸基に対するリチウムイオンの交換吸着親和性
- 金属酸化物表面水酸基のイオン交換機能の評価(表面・界面・薄膜と分析化学)
- 二酸化マンガン表面水酸基の水素イオンと溶液中の亜鉛(II)イオンとの交換比
- 亜鉛イオン-酸化マンガン(IV)表面錯体の安定度定数の決定
- 1073-1273KにおけるSUS430ステンレス鋼の初期酸化
- (La, M^[II])(Cr, Mn)O_[3-δ]薄膜[M^[II]=Ca, Sr]の形成およびその導電特性
- 1273KにおいてType430ステンレス鋼に生成する初期酸化物皮膜の性質に対する昇温速度の影響
- 1273におけるFe-Cr合金上の初期酸化皮膜のXPSによるキャラクタリゼーション
- La(III)-Cr(VI)混合塩前駆体の熱分解によるぺロブスカイト型LaCrO_3の合成
- バクテリアリーチングにおけるパイライト表面生成物のX線光電子分光分析(表面・界面・薄膜と分析化学)
- モデルによる金属酸化物溶解特性の評価
- Cu,NiおよびPを含有するγ-FeOOH 調製と特性評価
- SUS430ステンレス鋼の高温酸化に対するランタン水酸化物コーティングの効果
- ランタン水酸化物で表面被覆したSUS430鋼上に高温で生成した酸化物皮膜の性質
- La化合物で表面被覆したSUS430ステンレス鋼の高温酸化
- EDTA溶液によるマグネタイト(Fe_3O_4)溶解反応の速度モデル
- 理事会だより
- 鋳型イオン交換体としてのスピネル型マンガン酸化物によるリチウムイオン取り込み反応の速度論的モデル化
- 含水酸化鉄の熱分析
- 北の支部から
- 応用分析化学のすすめ
- 熱音響放出測定法
- 活性元素を用いた表面処理による合金の耐高温酸化性の向上
- 電解析出法によるペロブスカイト型ランタンクロム複合酸化物皮膜の形成
- ADC12アルミニウムダイカスト合金の硫酸溶液中における多孔質アノード酸化皮膜の生成挙動に及ぼす加熱処理の影響
- 1273Kにおいて Type 430 ステンレス鋼に生成する初期酸化物皮膜の性質に対する昇温速度の影響
- 電解析出法によるアルミニウム・イットリウム混合酸化物皮膜の形成
- Al-Si鋳造合金の硫酸溶液中におけるアノード酸化挙動
- 水和酸化物皮膜に覆われたアルミニウムのアノード酸化 : IV. 高温水中で生成する水和酸化物皮膜の電場脱水
- 水和酸化物皮膜に覆われたアルミニウムのアノード酸化 : III. 複合酸化物皮膜中のボイド分布に対するアノード酸化温度の影響
- 2酸化マンガン粒子表面における銅(2)イオン吸着挙動のキャラクタリゼ-ション
- モリブデンオキシ水酸化物皮膜を利用したアルミニウムアノ-ド酸化皮膜の物性の向上
- Electrochemical formation of lanthanum chromite coatings.