有機溶媒希釈/誘導結合プラズマ発光分析法による原油中のニッケル, バナジウム, 硫黄の迅速定量
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概要
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様々な一般性状を持つ原油中のニッケル, バナジウム, 硫黄の分析に, 有機溶媒希釈/ICP-AESを適用させた.希釈溶媒には, ケロシン, ジメチルベンゼン, 4メチル-2-ペンタノン, そして1,2-ジメチルベンゼンを検討し, l, 2-ジメチルベンゼンが最も検出限界が低いことを認めた.迅速性を考慮し, 試料を一定油分濃度で調製した結果, 金属元素の検量線は0.1〜50μgの広範囲で直線性を示した.この手法を用い, 極めて報告例の少ない各種国内原油と, 海外原油を比重ごとに分類して分析した結果, 東柏崎原油など特軽質油中の各元素は検出しなかったが, 中質, 重質油では秋田石名坂原油など, 金属元素で30μg/g, 硫黄が2wt%含有していた.一方海外原油では, 重質ベネズエラ産出原油で, 金属元素で数百μg/g, 硫黄が5wt%の含有を認めた.更にそのNi/V比等から, 簡単な原油の特性評価を検討し, 系統立てた原油試料の産出地域や各坑井の特性の把握に利用できることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1997-07-05
著者
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