臨床化学分析における新規な酸化及び還元発色試薬の開発(関東支部創立40周年紀念)
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概要
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生体試料中の諸成分の化学分析は, 近年, 一部を除いて, ほとんどが酵素反応を利用した測定法に変遷した.これらの方法は測定したい生体成分に対し極めて選択的である.酵素的測定法に用いられる酵素はほとんどが酸化酵素(オキシダーゼ)か還元酵素(デヒドロゲナーゼ)で, それぞれ, 反応によって生じる過酸化水素, 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH), あるいは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を発色法によって検出する.検出には酸化あるいは還元発色試薬が用いられる.酸化発色試薬はこれまでアニリン誘導体であるトリンダー試薬が用いられてきた.又, 還元発色試薬にはニトロテトラゾリウムブルー(NTB)などのテトラゾリウム塩が用いられている.これらの試薬に求められる性質は1)発色波長が生体内物質の妨害を受けにくい波長領域にある.2)発色反応が生体サンプルに含まれる干渉物質の影響を受けない.3)溶液状態での長期間の保存に耐える.4)安定な色素を与える.(退色しにくい.)5)水溶性が高い, ことなどである.これまで用いられてきた発色剤は, すべてを満たすものではなく各臨床メーカーにおける試薬溶液調製のノウハウによって改善されてきた.今回, 上記の問題点を解決するために, 新規化合物を合成し, その特性を評価した.
- 1996-02-05
著者
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