活性炭吸着を利用した水試料中の揮発性物質の定量
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概要
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水試料中の揮発性物質(以下, VOCと略す)が活性炭に吸着することを利用して定量する方法について検討した.本法は水試料中に活性炭を添加し, 室温で放置してVOCを吸着させた後, この活性炭を水中より取り出して二硫化炭素で脱着し, ガスクロマトグラフ(GC)で分析して定量することに基づいている.本法は添加回収実験で, おおむね95%以上の回収率が得られ, 又同一試料を用いてJISK0125及び1993年環境庁告示第16号による方法と本法とで並行分析を行い比較した結果, 両者の分析値はよく一致することから地下水・工場排水試料の水質分析に適用できると考えられる.本法はVOCを活性炭に固定化させており, 室温下において14日間までの保存が可能であることを確認した.又, 本法は試料を冷蔵する必要がないのでサンプリング・運搬が容易であること, 更に搬送に伴うVOCの損失が少なく長期保存が可能であることから, 遠隔地でサンプリングを行った試料に対しても信頼性の高い分析値が得られることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1995-08-05
著者
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上野 浩
松下産業衛生科学センター
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藤木 幸雄
松下電器健康保健組合松下産業衛生科学センター
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竹内 律子
松下電器健康保険組合松下産業衛生科学センター
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上野 浩
松下電器健康保険組合松下産業衛生科学センター
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内藤 勝巳
松下電器健康保険組合松下産業衛生科学センター
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