固相状態における熱変性タンパク質のフーリエ変換赤外分光法による構造研究 (<特集> バイオサイエンスと分析化学)
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概要
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タンパク質の熱変性に関する赤外分光分析の報告は, 溶液状態やフィルム状などに限られている.そこで, タンパク質の固相状態における熱変性の情報を得るため, FT-IRに熱分析システムを組み込み, 温度を連続的に変化させながら構造変化に対応するIRスペクトルを追跡した.この実験では二次構造既知であるミオグロビンを選び, 0.1mm角のサンプルを2枚のKBr結晶板にシールし, ホットステージのセル部分に置き, 水銀カドミテレル(MCT)検知器で透過スペクトルを測定した.測定は熱分析システムの温度プログラムとIRの測定処理を併用して自動化した.フーリエセルフデコンボリューション(FSD)と差スペクトルよりタンパクの熱変性構造の情報を得た.未変性状態で見られる1654cm^<-1>は90℃付近から一部消失し, 新たに1629cm^<-1>(シャープ)と1664cm^<-1>(ブロード)に2本のバンドが現れた.これらの変性からミオグロビンは引き伸ばし構造(extended)を経て不規則構造(unordered)に近い構造をとるものと推定した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1995-10-05
著者
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高橋 理恵子
城西大・理・化
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赤羽 競
城西大・理・化
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横手 よし子
城西大・理・化
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赤羽 競
城西大学理学部化学科
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横手 よし子
城西大学理学部化学科
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新井 邦男
城西大学理学部化学科
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高橋 理恵子
城西大学理学部化学科
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新井 邦男
城西大・理・化
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