グロー放電質量分析法による高純度コバルト中の微量元素の定量
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概要
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グロー放電質量分析法により, 超大規模集積回路(VLSI)材料として注目されている二ケイ化コバルトの原材料である高純度コバルト中のppb〜ppmレベルのリチウム.ナトリウム, カリウム, クロム, 鉄, ニッケル, トリウム及びウランの定量法を確立した.グロー放電の最適条件の基準は, "装置能力及び検出器の寿命を短くさせない範囲で最大のイオン電流が得られること"とした.放電電圧, 電流, 電極間距離及び放電面積について検討し, それぞれの最適条件を1kV, 2.5mA, 0.6mm, 12mmφとして定めた.妨害イオンの影響を調べるため, アルゴン及びコバルトに起因するイオン強度を調べた結果, 多価イオン及び多原子分子イオンの強度はコバルトについては小さいが, アルゴンについては非常に大きいことが明らかになった.カリウム, クロム, 鉄に対してはガス成分に起因する複合分子イオンが接近し, 複合分子イオンそのもの, あるいはそのテイリングが重複し, 正の誤差を与えるが, 試料を冷却してガス成分のイオン化を抑制することにより, 妨害を小さくすることができた.分析値の正確さを向上させるため, 化学分析法により求めたコバルト中の不純成分の分析値を用い相対感度係数を決定した.本法による定量下限は, リチウム, ナトリウム, クロム及び鉄については5ppb, カリウム及びニッケルについては50ppb, そしてトリウム及びウランについては0.1ppbであった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-09-05
著者
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